米国の金融緩和策QE3はどうなるか

米国金融緩策QE3は引き出しの中へ

先日公表された米国11月の雇用統計で、失業率は10月の9.0%から8.6%まで0.4ポイント低下、非農業部門の雇用者数は前月比で12万人増加した。緩やかではあるが、米国の雇用改善が続いていることを示した。(雇用者数×週間労働時間×時間当たり賃金)で求められる民間部門の週間総所得は872億ドルとなり、リーマンショック前のピークであった08年6月の858億ドルを1.6%上回り、直近にボトムをつけた09年6月の807ドルからは8.1%上昇している。雇用者数は、リーマンショック前の水準を回復できてはいないのだが、総所得の回復が米国の堅調な個人消費を支えているのだろう。

 

11月の感謝祭休日からスタートした米国のクリスマス商戦は出足好調だと言う。雇用者数の回復が鈍いため消費の裾野は広がっておらず、出足の好調を最後まで持続できるかどうかを疑問視する向きもあるが、ISM製造業景気指数など足もとの景気指標は市場予想を上回るものが続いている。

 

株式市場が堅調に推移していることもあり、この間までFRB議長の机上にあった「QE3」は、とりあえず引き出しの中に仕舞われたと考えるべきだろう。ただし、決してゴミ箱に捨てられたわけではない。

米国市場が底堅い値動きをみせたこともあり、米S&Pによるユーロ圏の格下げ方向への見直し発表を受けた昨日の下げに対する反動が意識されよう。とはいえ、欧州中央銀行(ECB)理事会や欧州連合(EU)首脳会議を控え、上値追いの展開は考えづらいところである。昨日の反動による戻り一巡後は、株式、為替(FX)ともに引き続き膠着感の強い相場展開になりそうだ。